【図解】BCDジャケットから空気を抜く方法知っていますか?サイパンのマリンスポーツとダイビング サクラマリン
こんにちは。サイパンのマリンスポーツとダイビング サクラマリンのダイビングインストラクターAKARIです。
このブログは次回のダイビングが快適に、そして少し楽しみになるような記事を目指しています。
*この記事はパンデミック中にnoteにて連載していた『初心者ダイバーさんに捧げるマガジン』のリライトです。
今日はBCD(浮力調整)ジャケットについて書こうっとと思って意気揚々とBCDジャケットのイラストを描き始めたんだけど・・・
ムッズ・・・激ムッズ・・・。なんじゃこれ。ひどいな・・。しかも、これをバリエーション変えて書くなんてムリや・・・。
ってことで、いつものように簡素化のイラストでご了承ください。ま、言いたいことが伝わる絵だったらいいにします。
さて、今日はBCDジャケットの空気がうまく抜けない初心者ダイバーさんのお話をします。
空気は上にあがります
ご存知のように空気は水中では引っかかることがない限り、泡となって水面に向かって真っすぐ浮かび上がっていきます。
我々ダイバーが潜るときに使用するBCDジャケットは、シンプルに考えると浮袋なんです。
水面では沈まないように空気をたくさんいれられて、水中では良い感じに泳げるように適量の空気を入れて補助として使うことができるように持っていく浮袋。
どうせ持っていくんなら、タンクを固定するハーネスと一体化して着られるようにした方が便利じゃね?
あー、ポケットとかあった方がさらに便利かも―。
小物をひっかける金具がついてると超便利♪
こんな風に世界で初めてのジャケット型BCDができた・・・・かどうかは知りませんが、まぁ概ね間違った歴史解釈ではなさそう。(企画会議の様子はイメージです。)
さて、その浮袋の空気の出し入れができる場所はインフレーターホースの先のココです。
肩の部分や腰の部分に別途で排気バルブがついているBCDジャケットもありますが、基本はこのインフレーターホースの先ということを頭に叩き込んでください。
このインフレーターホースの先に排気ボタンがついているから、BCDジャケットから空気を抜きたいときに「排気ボタンを押す」というコマンドしか頭に浮かばない方がいらっしゃいます。
オープンウォーター講習で絶対何回もやっているはずなんだけど、もう講習ってとにかくやること多くって、すべて「水中でのトラブルの回避法および対処法」だから、すんげ―大事なことばっかりなんだけど、オープンウォーター講習を受ける人は100%ダイビング初心者だから、講習目的のイメージがしっかり湧いてないのよ・・・。だから、細かいところまで記憶に定着しない。。。だから、いろんなスキルに少しずつ呪いがかかってるケースがよくある・・・。ま、これを経験がカバーしていくんだけどさ・・・。経験がカバーするって言ったって、事前にイメージがしっかり湧いた状態で経験しないとやっぱり定着しないんですよ・・・。だから、ダイビングに行けないときもイメージできるような記事を書きたーい。
おっと、心の声が漏れました。続けます。
排気ボタンを押しただけでBCDジャケットの空気が抜けたつもりになっている方は、あとあと深度が浅くなってきてBCDジャケット内の空気が膨張して浮力が増したときに急浮上して、怖い思いをするってわけ。トラウマ化。
この深度が変わると空気の体積が変化して、浮力が変わるってところがミソなんですよ。
ここをうまく制御できるようになると、バシッと中性浮力でピタッと止まることもできるってわけです。
最初にご説明したとおり、空気は引っかかるところがない限り泡となって水面へまっすぐ浮上するので、しっかり出口を水面方向へかかげてください。
「排気ボタンを押す」というコマンドの他にかすかに「ホースを上に向ける」というコマンドも残っている方もいらっしゃいますが・・・
曲がってたらこれまたダメなんです。
空気は引っかかるところがない限り泡となって水面へまっすぐ浮上する。
ということは、引っかかるところがあったらそこで空気は引っかかって止まってしまうんです。
どう転んでもこの地球上でダイビングをする限り、空気は水面に向かうようにできているので、われわれ人間はこの物理法則をしっかり理解するしかありません。
恐怖のちょい残し
さて、インフレーターホースの先をしっかりまっすぐ水面方向へ向ける必要性についてはご理解いただきありがとうございます。
では、今度はBCDジャケット内の空気に注目してみます。
BCDジャケット内の空気ももちろん、吐き出した空気と同じく水面へ向かおうとします。だから、ジャケット内でも上の方に集まってます。
空気を抜くときはインフレーターホースをしっかりまっすぐ水面へかかげて、排気ボタンを押せばいいんでしょう??わかってますよー♪
と、意気揚々と排気したつもりになったアナタ。
ちょい残しありませんか?
万が一、ちょい残しがあった場合、きっとエキジット寸前の浅瀬に戻ってきた時や、安全停止中にこうなります。
BCDジャケット内にちょい残ししてしまった空気が、浅い深度で体積が膨張して浮力増し増し。あれよあれよと意思とは反して水面へ。
マジでこの場面ってあれよあれよと浮いちゃうんですよね。まさにあれよあれよという感じで。あれよあれよって浅瀬で浮かびそうになっているダイバーが語源じゃないかしら?
じゃあ、どうやったらちょい残しをしないのか?
超簡単。ナナメにするだけよ。
左肩をナナメに上げて最後の小さな泡まで捨てたってください。
横から見てみよう
今度は横から見てみましょう。泳いでいるダイバーのBCDジャケットを横から見た図です。
横から見たらさらにひどいイラストだ。もう、ここから見た人はこれが何なのかすらわからんでしょうな。
インフレーターホースをしっかりまっすぐ水面方向へ向けて排気ボタンを押すと、BCDジャケット内の空気はどうなるか・・・・?
はい、ちょい残し~。
トラウマ再び。
同じですよ。ナナメにしてあげればいいのですよ。
ちょっと上体を起こして、さらに左肩をナナメ上にあげる感じね。
これで、ちょい残しはない!
ない?
ホントにない??
本当にちょい残しを防ぐには
ごちそうさまでした~~!!ぜんぶたべたよー!!!
と、誇らしげにお茶碗を見せてくるうちの次女。
でもね、お茶碗をよく見ると・・・。一粒ではなく半分になったご飯粒とか残っているわけ。そして、やり直しを命じられるんです。ちゃんと綺麗に残さず食べなさいって。
ちょい残しがご飯粒なら半分だったら、いつまでたっても半分のままなんだけど、BCDジャケット内の空気のちょい残しは浅い場所に行くと膨張して増えるんですよ。半分だったご飯粒が1粒になって、2粒になって、あっという間にお茶碗1杯分になるような状態ですよ。びっくりでしょう?食べ終わったと思ったのにちょっと場所移動しただけでお茶碗いっぱいのご飯に戻ってたら次女は心が折れるだろうなぁ・・・。早く食べ終わって遊びたいだけの人間だから・・・。
BCDジャケット内の空気のちょい残しを防ぐ方法もご飯のちょい残しを防ぐ方法も実は両方同じ。
よく見ること。
見たらわかるんですよ。水中の空気は陸上と違って泡なんだもん。
空気のような存在っていう表現は陸上では、可視化されることのないさりげない存在のことだけど、水中における空気のような存在ってバッチリ見えてますからね。
BCDのインフレーターホースの先から出ていく泡をしっかり見てください。空気が抜けていく様子を確認しましょう。
そして、ちょい残しを防ぐにはもう空気がどう頑張っても出ないことを見てください。
どう頑張ってもっていうのは、排気ボタンをより強く押すことじゃないですよ。どういう角度・姿勢をしても泡がもう出ないことを確認してください。
空気は引っかかるところがない限り泡となって水面へまっすぐ浮上することをしっかりイメージした姿勢をとってくださいね。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。『海が君を待っている』サクラマリンで一緒に遊びましょう♪